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グローバルサウスはよく聞くが、説明できる人は少ないだろう
2025/05/07 10:42
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投稿者:雑多な本読み - この投稿者のレビュー一覧を見る
G7でなく、G20の時代とか言われている。グローバルサウスというのもよく聞く。しかし、よくわからないというのが普通だろう。かつては東西冷戦とか、南北問題やAAグループという言葉が飛び交っていたが、それらとどう違うのだろうか。北の先進国と南の発展途上国の経済格差を南北問題と言っていたが、グローバルサウスは違った感じを持つ人も多いと思う。このグループに入る国々や地域はアメリカにつくわけでもないが、中国やロシアについているようでもない。自国の利益を考えて判断し行動しているとする。中国は世界でGDPは第2位であり、日本のGDPの何倍になるのだろう。それにもかかわらず、発展途上といい、グローバルサウスの一員とすることがあるが、どうみても中国やロシアは除外して考えるべきだろう。本書の目次を見ると、
まえがき
第1章 なぜいま「グローバルサウス」なのか
第2章 グローバルサウスの覚醒
第3章 「理」ではなく「利」で動く国々
第4章 中東危機とグローバルサウス
第5章 中国の変調とグローバルサウス
第6章 これからの国際秩序
あとがき となっている。
以上のように展開されている。アメリカの国際的な求心力が低下している。トランプ大統領が出てから、その印象は強くなっているが、個人の問題でなく、経済力が相対的に低下し、国内対応が重要になっているからだろう。ロシアのウクライナ侵攻で、グローバルサウスに入るといわれている国々は、批判はしても、アメリカが呼びかけた経済制裁には参加しないどころか、ロシアから安くなった原油を買ったり、自国中心の行動も多いように見えた。中国の経済発展は目覚ましいものがある。最近は少し陰りが見えるが、それでも一時はアメリカを抜くともいわれていた。アメリカと中国の対立が明確になり、新冷戦ともいわれ、日本で台湾有事という言葉が飛び交う。アメリカ中心の西側、ロシア、中国を中心とした勢力の対立という印象があるが、世界はこの2つでなく、グローバルサウスという大きな勢力が積み上げられてきたということだろう。世界は二極化しておらず、アメリカ国内で二極化しているのではないか。インドの役割が大きくなってきているが、GDPで日本はもうすぐ抜かれることは間違いない。クアッドで必ず出てくるからなおさらだろう。中東の産油国、アセアン諸国、南米やアフリカという地域の国々もあり、グローバルサウスを一言でくくるのは難しい。それでも、新書という制約のなかで、グローバルサウスをどう理解したらいいのかがわかりやすくまとめられている。気候変動やエネルギー転換等、世界では大きな課題を抱える中で、グローバルサウスの動きは目を離すことができない。まずは、基本的な理解が必要だろう。その一つの書として多くの人に読んでもらいたい。
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