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投稿者:ふみちゃん - この投稿者のレビュー一覧を見る
昭和30年代の大阪・猪飼野をよく知る人の話を聞いたことがある、そのころ近隣どおしでさえ民団系と総連系に分かれて対立していたのだという、次第に民団系が優勢になっていったというのは、この本のとおり、冷戦はこの小さな街にも影響を及ぼしていたのだ
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当事者しか語れない、自分には語る資格がないと思いこむと、知ろうとしたり、考えたりすることの妨げになると思いました。50年代までに日本に来て、定住した在日韓国・朝鮮人とその子孫を知ることでニューカマーの外国人はじめ、さまざまなマイノリティと隣り合わせで暮らす毎日に自分ができることを考えました。
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ひとつの読みどころは、民族マイノリティとして、歴史とどのように距離をとるか思考している章。著者は挑発的に「戦術的忘却」を主張する。日韓関係の改善の兆しが見える中、歴史の「忘却」が語られるようにもなったが、図らずもそれと共鳴する議論が本書に見られ、おもしろい。
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新聞で著者のインタビューを読み、気になったので購入。
データや映画の事例を引きつつ、自身の経験や思いはもちろん、周辺のことも多く書かれていてたしかな手応えのある文章。そうだったのか・・・という思いで興味深く読んだ。
日本が戦時、朝鮮半島を植民地としていたことを考えれば、いま日本に住む半島ルーツの方々――2世、3世が半端に外国人として扱われているのは不当のように思う。しかし、在日の人々の中でも大きく考えが分かれているというのは盲点だったというか・・・当然、それぞれに育った環境も時期も違うのだからそりゃそうだよな、と思った。通称名と本名どちらを名乗るか。日本国籍をとるかどうか。日本社会に同化するか、在日コミュニティを大事にするか。
採用の場で人となりを見てもらえたり、親族から愛国心をわざわざ押しつけられたりしない日本人と違って、選ぶべきことが多すぎる。その選択によってコミュニティは少しずつ細断され、より主張が研ぎすまされていったすえに、日本社会との衝突があるのかなという気もする。日本人だって本来ひとくくりにできるような集団ではないのに、在日だからという点だけで誰も彼もひとからげにするのはおかしいと思う。
この古くからの隣人にさえ排外的な態度をとっているようでは、人材不足を助けてくれる移民をスムーズに受け入れられるはずもない、と著者は警鐘を鳴らす。一方で「希望の歴史」「戦術的忘却」という考え方を提示し、硬直しきった関係をほぐす努力の大切さも説いている。
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著者は1981年生まれの在日韓国人。知性高めな感じで在日朝鮮・韓国人がたどってきた歴史も紹介しつつ論を述べる。論のところがわかるようでわからないような。ガンガン在日の苦難の歴史と権利を主張していくわけではないからだろうか。
だいぶ大人になってから母とともに朝鮮籍から韓国籍に変えたらしいけど、「在日になる」とか「在日コリアンになる」でなく「在日韓国人になる」というタイトルにした意図は何だろう。まあ、まさに韓国籍の在日コリアンになるまでの途という意味なのかな。