中国人移民の事情がわかる本
2025/03/14 12:26
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投稿者:ナナ - この投稿者のレビュー一覧を見る
昨今、日本国内でも、街中、店内で中国語が普通に話され、日本社会が変わってきているとは、気づいていた。ただ、中国人の観光客にしては、子連れで日本の普通のスーパーで買い物しているなど、違和感もある中で、手に取ったのが本書である。筆者は、日本に移住してきた中国人の個々人の事情、経済面、思想面、生活面など、様々な背景を、丁寧に追い、本書は読み物としても、興味深かった。現況の日本への中国人移住者をどうとらえるべきかを、考えるのに、とてもためになる本である。
新移民、という存在
2025/04/23 23:28
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投稿者:はぐらうり - この投稿者のレビュー一覧を見る
日本に「潤」してきた中国人新移民と呼ばれる人々を取材したノンフィクション。
これまでの「爆買い」を流行らせた観光客ではなく、華僑でもない「潤」。この「潤」にもさまざまあり、想像もつかない富裕層もいるし、中所得層も。共通しているのは中国に居づらい、住みたくないということか。
日本から脱出する日本人も多数いるわけで、この時代より良い環境を求めて世界に出るのは共通。バブル期に日本がアメリカを買ったように、今は日本が買い場になっている。物価高もグローバル化の一環だと思っているし、生活しにくい状態ではあるけれど、土地もお金も権力も持ち回るものかなと楽観的に考えている。
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日本に移民する中国人を、潤日と呼ぶ。その理由は様々だが、中国経済の先行きや習近平体制下の第二の文革など、厳しい状況が見え隠れする。そしてコロナ禍における厳しい国内封鎖がきっかけとなり、主に上海や北京に住むアッパーミドル層が国外脱出をしているのだ。
彼らがなぜ日本を選ぶのか。円安により不動産や物価は割安水準であり、就労ビザの取得が容易、文化的にも近いということで、40-50代の新興企業で資産を築いた層が積極的に移住している。彼らの行き先は都心のタワマンであり、子どもたちは受験戦争を厭わず有名私立中高へと進学している。いまやSAPIXの2割ほどが中国籍の子弟になっている。
基本的には私有財産が認められていない中国から、いかに資産を持ち出し日本の不動産や株式を「爆買い」しているのか。そこには地下銀行のようなエージェントが存在し、また暗号資産や美術品といったあの手この手で中国から資産が流出していく。有名なところではアリババ創業者ジャック・マーや、TikTokファウンダーなどが潤日している。
この中国からの資本流入は、当然日本のマーケットにも大きな影響を及ぼしている。都心のタワマンを中心とした不動産価格は上昇し、国内株式も史上最高値を更新するまでになっている。もはや日本経済にとっても、この潤日の存在抜きには語れない状況となっているのだ。
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自分が知っていた中国人移民の話とは違って新鮮だったがどっちが本当なのか。(どっちも本当なのだと思うけど)
ネットやテレビで最近中国人観光客の問題や、違法民泊問題、免許証取得問題に、迷惑行為問題、移民してくるのはそういう人たちが大半だと思っていたが、それは表面的なものであって少し違うのかな。
この本に出てくる8割の移民が金持ちで、高等教育を受けていて、日本が好きで、中国共産党に強い懸念を持っていて、日本経済の今後に期待している。
日本に移住してくる理由は
私有財産権が保障されていること。
自由が保障されていること。(言論や行動)
シンガポールやカナダよりランニングコストが安いこと。
大気が綺麗なこと
コロナ禍以降大量の移民が流入してきて、やはり文化も違うので軋轢あるが今がその過渡期だと思って、日本のルールを守ってもらって共存していくしかないのかと感じた。
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純粋なビジネス目的、子供の教育機会を求めて、資産の保全など…。最近は移住する外国籍・中国人が増えているらしい。移住を目指す外国籍の方にはいろいろなタイプがいる。日本も今後はグローバル化が進むと思われ、多国籍言語の習得、使用機会が必要な場面が増えるかもしれない。
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日本を目指す中国人を潤日と言うが
彼らがどのような理由で日本を目指すのかを超富裕層から一般人まで様々な視点から書いたドキュメンタリー作品
母国にない自由を求めて日本に来ている彼らと私たちは今後どのように対処していったら良いのであろうか?
いずれ大きな問題に発展しそうな気がする。
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p16 潤 さまざまな理由から良い暮らしをもとめて中国から脱出する人々を指す。もともと儲けるという意味。中国語のローマ字表記でrun 英語の逃げるとダブルミーニング
p47 潤日 比較検討の上日本にきているので、日本にずっと居続けるとは必ずしもいえない
p54 日本の在留期間5年の高度人材ビザ
p59 新たな地政学的状況からすると、今後20−30年で日本は黄金期をまた迎えるのではと考えています。
p97 日本のインターナショナルスクールの学費は中国の半分
p99 中学受験の4大塾 SAPIX 日能研 四谷大塚 早稲田アカデミー
地下銀行 闇両替
p193 最後に花を持っていた人が負け
p197 2022 ハローインターナショナルスクール安比ジャパン
p224 中国語MBA 桜美林大学
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「日本へ大脱出する中国人富裕層を追う」
そんな見出しに釣られて読んでみた。
・割安なタワマンなどを通じて資産保全を図る中年層
・悪化を続ける受験戦争を避け良質な教育を求めてくる一家
・毒された情報空間から抜け出し自由な言論空間を享受したい知識人
・行き過ぎた愛国主義を恐れるうちに安心安全なリタイア生活を過ごしたいと思うに至った経営者
そういった人々を「潤」(ルン)と中国では呼ぶらしい。ではなぜ「潤」の人々はアメリカやヨーロッパを選ばないのか。日本は 先ず物価が安い。安全安心。ビザが簡単に取れるなどなど。
東京はもちろん、北海道、大阪、福岡、地方でも急激に中国新移民が増えているらしい。
あっと気がついた時には、、、
沢山の人達に取材した結果から得られた
そんなお話でした。
今の習近平の国内の締め付け、中国経済の悪化を見ていると さもありなんと。
日本はどう対処するのだろうか?
いつも一周遅れの日本は。
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日中新時代。副題にある富裕層だけでなくバリエーションの多い取材対象に、著者の多様な人脈と取材力をみた。
互いに、日本人だから〇〇、中国人だから〇〇、といった取り上げ方をしてわかった気になっているレベルでは知り得ない生の声に、こちらも様々な感情を喚起させてくる。
観光客としてだけでなく、隣人としてのインパクトを増してくるだろう中国の人たちの理解を深められた。日本人としてどう向き合っていくかの観点の頭の整理にもうってつけ。
なお、人名や表現の漢字に中国語読みも振られていて、ちょっとした学習用にも良いかも。
著者のPodcastも今後聴いてみようと考えた。
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潤はルンと発音する。中国からさまざまな理由で海外に脱出してゆくことを指すとのこと。だから潤日であれば日本に向かうことになる。中国人によるリゾートマンション購入などが日本人からするとネガティブな印象で語られることが多いが、本書を読むと投資対象なだけではなく本格的に日本移住、日本に腰を据えたい気持ちで購入している人も多いことがわかる。前から思ってはいたが、やはり中国の独裁的支配体制の中では気持ちよく生きていけない人はいるのだ。で、そういった内容なのは知っていたけど読み始めは著者の直接の知人である中国人でインフルエンサーの女性の安否がわからないところから始まるのでやや驚きつつ読み進める。そもそもアジア系に強いジャーナリストである著者が気持ちを新たに上記潤を日本に決めた中国人たちの取材をしていく様はある種のミステリーにも似た展開があって面白かった。
本書を読むと、日本の今はあたかも第二大戦前の孫文が日本で中国の新しい体制を夢見たような若者たちの姿もあることで、日本にいる彼らを支援したくもなる。それでもあの国の国家情報法には気をつけるべきなのかなあ。すごく警戒してる人はいるよね。個人的には気持ち良い、もしくは面白い中国人にしか会ったことないんだよねえ。誰もをスパイに仕立て上げようとする国というのは素朴な、人への信頼感の樹立すら妨げるからほんとに罪だよなと。どういう感想を持つのが著者からは好ましいのかわからないけど、今後は本書の内容を時に応じて振り返りつつ、中国や中国人関連のニュースを見ていこうと思う。
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まだ中盤ですが国境レスで生きる人々に関する興味深い内容で読むのが止まらない。
子供のお受験事情は中島恵氏の著書とも被る感じデジャブーと思ったけど気のせいかな。
登場するのはどちらかというと高度人材の方々多めですが日本以外にも他拠点らしくてとりあえず億ションでも「日本の住まいは狭すぎる」らしいです。
ではその頭脳とかでいっそ日本社会に影響して良くは…しそうにない感じかな。完全に同国人コネクションの中で生きてる様子。
読み終わったら続き書く。
5/14読了。
景気のいい中国人富裕層の話と
思想言論弾圧に晒された富裕ではない層の話がクロスする。
後者の、著者の友人のやりきれない死への著者の慟哭が伝わった。
富裕層もその国ゆえの不安感に動かされて国境を越え拠点を複数構えようとしている。
生まれた国は違えど人間は皆同じだ。彼らの心が安寧であるよう祈らずにいられない1冊だった。
(しかし感傷的なところとビジネス的事象を追うところの温度差よ。力作と思うのだけど少しだけ完成度という言葉が浮かんだ。帯の煽り文句でそのつもりで開くと部分的にえっ?と戸惑うというか)
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「『潤』は、最近中国で流行っている言葉で、さまざまな理由からより良い暮らしを求めて中国を脱出する人々を指す。」
日々のニュースや、実際に見聞きしたりして、実感している潤の人々。
いったいどんな人々なんだろう?という関心に対して、中国・東南アジア専門ジャーナリストである著者がいろいろな中国人とのインタビューと取材を通して、一端を紹介し、「考えるヒント」を与えてくれています。
中国での受験戦争から逃げて日本で教育したい人、
資産を守るために脱出した人、
規制や弾圧でなく自由な言論活動をしたいと逃げてきた人、
安心安全で穏やかな生活を求めて来た人、
など多種多様な人々がいることがわかり、一括りにはできないことを知りました。
「新移民はすでに教育、不動産、ビジネスなど多くの分野でインパクトを与えつつある」
日本の移民受け入れや政策について、時代に合ったものに変えていかなければいけないのだろうし、知らないうちにそんなことに!ということにならないように学んで考えていかなければいけないと感じました。
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日本に来る中国人も様々な事情抱えているのだなと、総じて大変だなと。
悪化する受験から避ける。割安なタワマンで資産保全。毒された情報空間から逃げる。行き過ぎた統制社会から安心安全な生活へ。。。など
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日本への中国人の流入がどのような問題を引き起こすのであろうか。
正直恐怖を覚えている。何等かの法的歯止めが必要ではなかろうか。