日本鉄道廃線史 消えた鉄路の跡を行く
著者 小牟田哲彦 著
野ざらしの廃車両、ぽっかりと闇をのぞかせる廃トンネル……全国に散在する廃線にも、かつては活気に満ちた時代があった。なぜこれらは廃止されてしまったのか。戦中の「不要不急路線...
日本鉄道廃線史 消えた鉄路の跡を行く
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商品説明
野ざらしの廃車両、ぽっかりと闇をのぞかせる廃トンネル……全国に散在する廃線にも、かつては活気に満ちた時代があった。なぜこれらは廃止されてしまったのか。戦中の「不要不急路線」にはじまり、モータリゼーションや国鉄再建に伴う大量の廃止、近年の自然災害による廃線などを時代別・種類別に紹介する。そして現在、新たに巻き起こっている廃線論議の解決策はどこにあるのか。廃線からたどる日本交通史。
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盛り沢山の内容で、読み応えがありました。
2024/07/12 22:40
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:広島の中日ファン - この投稿者のレビュー一覧を見る
鉄道研究家の著者が、日本で今までに廃線された全国各地の路線について著した1冊です。著者ご自身が、廃線前と後で各地現地まで足を運び、写真も文中に多数掲載されています。
廃止路線ってこんなにあるのかという驚きと、路線によっては廃止に至った経緯が全く違うことを知り、大変勉強になりました。
かなり詳しく廃止路線について説明している盛り沢山の内容で、大変読み応えがありました。
従前の「廃線本」とは趣を異にする
2024/11/18 18:07
0人中、0人の方がこのレビューが役に立ったと投票しています。
投稿者:つばめ - この投稿者のレビュー一覧を見る
著者は、日本および東アジアの近現代交通史や鉄道に関する研究・文藝活動を行っている日本文藝協会会員である。廃線に関する出版物は、現役時代の当該路線を回顧したり、廃線跡を辿る探訪記の類が多くを占めているように思う。本書は、廃線に関わる法的根拠や著者が廃線前あるいは廃線前後に現地を訪問した見聞を織り交ぜた解説で構成されており、これまでの「廃線本」とは、趣を異にする。以下、その一部を紹介する。
◆上下分離方式を採用した第3セクター鉄道は、2002年にJR東北本線から移管された青い森鉄道が初めて。◆1987年まで私鉄の根拠法となっていた地方鉄道法は、鉄道事業の廃止を許可制としていたが、第二世界大戦で破壊された沖縄県営鉄道は、正規の法的手続きなくして物理的に消滅。◆最後に廃線となった非電化軽便鉄道は石川県の尾小屋鉄道、廃止年は1977年。◆廃線に国の許可が必要であった2000年以前にも自然災害により原状回復が難しく、書類上は廃線になっていなくとも、現状追認で廃線になったのが鹿児島交通枕崎線。◆JR池北線から転換した北海道ちほく高原鉄道は17年で廃線。廃線後、5kmの区間で一般人が実際のディーゼルカーの体験運転ができる。1回あたり2万円から6万円の料金設定にもかかわらず、100回以上、150回以上というリピーターも。そのすべてが北海道外からの来訪者らしい。◆国鉄再建法による地方交通線の廃止において、代替道路が存在しないという理由で、廃止の申請すら行われなかったのが深名線だった。道路整備に伴い1995年に廃止。国鉄再建法に基づいて路線を廃止した場合は、国鉄やJRが代替バスを運行することは認められなかった。深名線は国鉄再建法による廃止ではないため、代替バスはJR北海道自身が運行。以上、単なる廃線史に留まらず、興味深い内容満載である。ただし、「整備新幹線建設に伴う在来線の経営分離についての解説で、JRが引き続き運営するケースは九州新幹線・西九州新幹線関連の鹿児島本線の熊本~八代、川内~鹿児島中央、長崎本線の江北~長崎しかない」と断言しているが、実際には、JR九州が鹿児島本線の博多~熊本、JR東日本が信越本線の篠ノ井~長野、高崎~横川を運営している。整備新幹線と並行在来線の取扱いについては、もう少し詳しい解説がほしかった。